スクラッチでオンラインゲームを作る⑩　退場処理を実装する

スクラッチプログラミングに挑戦している皆さん、どうも！スクラッチコーチです。

前回(ぜんかい)はクラウド変数(へんすう)を増(ふ)やすスケールアップを実装(じっそう)したぞ！これで理論(りろん)上(じょう)は１００人(にん)でも遊(あそ)べるオンラインゲームエンジンができたわけだ。最高(さいこう)かよ！ここまで来(き)たらギリギリまでクオリティを高(たか)めていきたいよね。今(いま)のままだとスクラッチを閉(と)じた人(ひと)でもゲームに表示(ひょうじ)され続(つづ)けちゃうから、この問題(もんだい)を解決(かいけつ)していこう。

今回(こんかい)の目標(もくひょう)「退場(たいじょう)処理(しょり)を実装(じっそう)する」

入場(にゅうじょう)処理(しょり)は以前(いぜん)実装(じっそう)したよね。誰(だれ)かがスクラッチゲームをプレイしたら、クラウド変数(へんすう)を通(とお)して検知(けんち)して自分(じぶん)のリストにその人(ひと)のデータを追加(ついか)する、って感(かん)じの処理(しょり)だよね。今回(こんかい)はその逆(ぎゃく)だね。参加(さんか)中(ちゅう)の誰(だれ)かがブラウザを閉(と)じたり赤(あか)いボタンを押(お)したりしたら、そのことを検知(けんち)して自分(じぶん)のリストからその人(ひと)のデータを削除(さくじょ)するっていう処理(しょり)を作(つく)るよ。入場(にゅうじょう)処理(しょり)の反対(はんたい)だから退場(たいじょう)処理(しょり)って呼(よ)ぶことにしよう。

休止(きゅうし)中(ちゅう)かどうかを判定(はんてい)する

別(べつ)の人(ひと)がまだプレイしているかどうか、どうやって検知(けんち)しようか。色々(いろいろ)な方法(ほうほう)があるけど、今回(こんかい)は「ある程度(ていど)の長(なが)さ動(うご)かなかったら」もう遊(あそ)んでない、というふうに考(かんが)えるよ。

変数(へんすう)「休止(きゅうし)中(ちゅう)」を用意(ようい)する

動(うご)いてない長(なが)さを知(し)るために休止(きゅうし)中(ちゅう)という変数(へんすう)を使(つか)うよ。

動(うご)きがなかった長(なが)さを知(し)る

ブロック定義(ていぎ)「クローンティック」の中(なか)で、エンコード文字列(もじれつ)を座標(ざひょう)に反映(はんえい)する処理(しょり)を作(つく)ったよね。そのときに次(つぎ)のエンコード文字列(もじれつ)を取得(しゅとく)しても空白(くうはく)の場合(ばあい)に備(そな)えた「もし」ブロックを置(お)いたことを覚(おぼ)えているかな？ここが空白(くうはく)ということは、前回(ぜんかい)と同(おな)じ座標(ざひょう)データが送(おく)られてきたということなんだ。つまり、止(と)まっているということだね。ただ止(と)まっているだけなのか、それとももう遊(あそ)んでなくて動(うご)かないのか、この段階(だんかい)では分(わ)からないから、とりあえず変数(へんすう)「休止(きゅうし)中(ちゅう)」に１をプラスしておこう。

一定(いってい)時間(じかん)動(うご)いてなかったときの処理(しょり)を作(つく)る

この変数(へんすう)「休止(きゅうし)中(ちゅう)」の値(ね)が合計(ごうけい)150を超(こ)えたら、「この人(ひと)は止(と)まっているんじゃなくて、もう遊(あそ)んでない（＝落(お)ちた）んだな」と判断(はんだん)しよう。そのための「もし」ブロックを作(つく)り、判定(はんてい)の演算(えんざん)をハメるよ。

退場(たいじょう)処理(しょり)の中(なか)を作(つく)る

この「もし」ブロックの中(なか)が退場(たいじょう)処理(しょり)の具体的(ぐたいてき)な実装(じっそう)になるよ。

その人(ひと)のUIDデータを消(け)す

各(かく)プレイヤーにはユニークID（UID）があるんだよね。これはほぼ絶対(ぜったい)に他(ほか)の人(ひと)とは同(おな)じにならないデータなんだ。この値(ね)をいまはリスト「★プレイヤーUID一覧(いちらん)」に持(も)っているから、それを消(け)しておこう。消(け)すと言(い)っても空白(くうはく)で置(お)き換(か)えるだけだよ。リストの行(ぎょう)ごと消(け)しちゃうとバグるから注意(ちゅうい)。

隠(かく)す

さらに隠(かく)すことで見(み)た目(め)上(じょう)はゲームからいなくなったようにしよう。

ちょっと修正(しゅうせい)する

おっと、一箇所(かしょ)修正(しゅうせい)しておきたい。動(うご)きに違(ちが)いはないけど、表示(ひょうじ)するブロックの場所(ばしょ)を動画(どうが)に合(あ)わせておこうと思(おも)う。直前(ちょくぜん)の「もし」ブロックの中(なか)に入(い)れておいてほしい。

テストする

右側(みぎがわ)のタブで赤(あか)いボタンを押(お)した後(あと)、左側(ひだりがわ)のタブからネコが1体(たい)消(き)えている点(てん)に注目(ちゅうもく)してほしい。

休止(きゅうし)中(ちゅう)を解除(かいじょ)する

おや、止(と)まっていた人(ひと)が動(うご)き出(だ)したぞ！どうやら落(お)ちたんじゃなくて、シンプルに止(と)まってただけのようだね。

変数(へんすう)「休止(きゅうし)中(ちゅう)」をリセットする

この人(ひと)は退場(たいじょう)させる必要(ひつよう)がないので、変数(へんすう)「休止(きゅうし)中(ちゅう)」のカウントをゼロに戻(もど)しておこう！

OK！これで退場(たいじょう)処理(しょり)については完了(かんりょう)だ。

• なぜリストの行(ぎょう)を消(け)さずに空白(くうはく)で置(お)き換(か)えたの？

  u003cpu003e退場(たいじょう)した人(ひと)のリスト「★プレイヤーUID一覧(いちらん)」を空白(くうはく)で置(お)き換(か)えたね。そのときに「リストの行(ぎょう)を消(け)さずに」と書(か)いたんだけど、これには理由(りゆう)があるんだ。u003c/pu003eu003cpu003e今(いま)ってさ、変数(へんすう)「プレイヤー番(ばん)号(ごう)」にAさんは1番目(ばんめ)、Bさんば2番目(ばんめ)、Cさんは3番目(ばんめ)、みたいな感(かん)じでリスト内(ない)のどこに誰(だれ)のデータが格納(かくのう)されているか管理(かんり)してるじゃん？u003c/pu003eu003cpu003eこの状況(じょうきょう)でAさんが落(お)ちたからといってリストの1行(ぎょう)目(め)を消(け)すと、どうなると思(おも)う？うん、1行(ぎょう)目(め)を消(け)したら2行(ぎょう)目(め)だったデータが1行(ぎょう)目(め)になって、3行(ぎょう)目(め)だったデータが2行(ぎょう)目(め)になるんだ。つまり詰(つ)めるんだよね。u003c/pu003eu003cpu003eそうすると変数(へんすう)「プレイヤー番(ばん)号(ごう)」で管理(かんり)している順番(じゅんばん)と実際(じっさい)のリスト内(ない)の順番(じゅんばん)が違(ちが)ってしまって、めちゃくちゃになってしまうわけだ。u003c/pu003eu003cpu003eそれを防(ふせ)ぐために行(ぎょう)の順番(じゅんばん)自体(じたい)は維持(いじ)したままにしたいから、行(ぎょう)の削除(さくじょ)ではなくて空白(くうはく)を入(い)れておくことにしたんだよ。u003c/pu003e

リサイクル処理(しょり)を作(つく)ろう

さて、ここまでで入場(にゅうじょう)も退場(たいじょう)もできて、そこそこ安定(あんてい)したオンラインゲームエンジンになったんだけど、完璧(かんぺき)まではあと一歩(ぽ)！このままだと人(ひと)の出入(でい)りを繰(く)り返(かえ)すたびにリスト内(ない)に新(あたら)しい行(ぎょう)が追加(ついか)されていって、当分(とうぶん)は問題(もんだい)ないけど理論(りろん)上(じょう)はいつかリストの限界(げんかい)を超(こ)えて破綻(はたん)してしまうことが予想(よそう)できる。そこで、リストが無限(むげん)に増(ふ)えていかないように、使(つか)ってない行(ぎょう)があればその行(ぎょう)を再(ふたた)び使(つか)うように直(なお)して、行(ぎょう)の無限(むげん)増殖(ぞうしょく)を未然(みぜん)に防(ふせ)ぎたいと思(おも)う！つまり、リサイクル活動(かつどう)だ！もったいない精神(せいしん)で実装(じっそう)しよう。

空白(くうはく)行(いき)を探(さが)す

手順(てじゅん)としては、空白(くうはく)の値(ね)が入(はい)っている行(ぎょう)がリスト「★プレイヤーUID」にあるかどうかを探(さが)して、なければ今(いま)まで通(とお)り新(あたら)しい行(ぎょう)を追加(ついか)するし、あれば空白(くうはく)行(いき)をリサイクルするようにしたい。そこでまずは空白(くうはく)行(いき)を見(み)つけよう。手始(てはじ)めにブロック定義(ていぎ)「クラウド変数(へんすう)を受信(じゅしん)する」で、リスト「★プレイヤーUID一覧(いちらん)」の中(なか)から空白(くうはく)である行(ぎょう)の番(ばん)号(ごう)を取得(しゅとく)しよう。

条件(じょうけん)分岐(ぶんき)ブロックを追加(ついか)する

その直後(ちょくご)に、「もし～でなければ」ブロックをスクショを見(み)ながら追加(ついか)しよう。「もし～なら」の部分(ぶぶん)には合計(ごうけい)４つのブロックがこの段階(だんかい)では入(はい)っているぞ。

空白(くうはく)行(いき)がなかった場合(ばあい)

プレイヤー番(ばん)号(ごう)がゼロだったら、条件(じょうけん)式(しき)をハメよう。これは直前(ちょくぜん)でリストの空白(くうはく)行(いき)を探(さが)したけど結果(けっか)がゼロだった、つまり空白(くうはく)行(いき)はなかったということを意味(いみ)しているよ。

空白(くうはく)行(いき)があった場合(ばあい)

空白(くうはく)行(いき)があれば変数(へんすう)「プレイヤー番(ばん)号(ごう)」にはゼロより大(おお)きい値(ね)が入(はい)っている。それは空白(くうはく)行(いき)の場所(ばしょ)を示(しめ)しているので、リストに変数(へんすう)「値(ね)」（これにはプレイヤーUIDが入(はい)ってる）を格納(かくのう)してリサイクル完了(かんりょう)だ。

テスト

右(みぎ)タブで赤(あか)い停止(ていし)ボタンを押(お)して一回(かい)落(お)ちたら、左(ひだり)タブからは消(き)えている。画像(がぞう)が粗(あら)くて数字(すうじ)は見(み)えないけど、左下(ひだりした)のリスト「★プレイヤーUID一覧(いちらん)」も空白(くうはく)になっている。そのあとに再(ふたた)び右(みぎ)タブで緑(みどり)の旗(はた)を押(お)すと、左(ひだり)タブのリストの空白(くうはく)行(いき)に数字(すうじ)が入(はい)っている様子(ようす)が見(み)て取(と)れる。前(まえ)まではどんどんリストに新(あたら)しい行(ぎょう)が増(ふ)えていたけど、今回(こんかい)は行(ぎょう)は増(ふ)えずに空白(くうはく)行(いき)のリサイクルに成功(せいこう)している点(てん)が進歩(しんぽ)だ！

大(だい)テストをする！

よぉし！やりたいことはだいたいできた。よくここまで付(つ)いてきてくれたね！キミとコーディングできたことを誇(ほこ)りに思(おも)う。（死亡(しぼう)フラグｗ）ここでより野心的(やしんてき)なテストに挑戦(ちょうせん)したいと思(おも)う。

自(より)プレイヤーに処理(しょり)を追加(ついか)する

久(ひさ)しぶりにスプライト「自(より)プレイヤー」に処理(しょり)を追加(ついか)するぞ。

自(より)プレイヤーをクリックする

こちら。

マウスが押(お)されたときだけ場(ば)所(ところ)を変(か)える

テストしやすさのためにマウスが押(お)されたタイミングだけ場所(ばしょ)が移動(いどう)するようにするよ。

ぐるぐる回(まわ)るようにする

ネコがその場(ば)でぐるぐる回(まわ)るよう処理(しょり)を自動(じどう)化(か)するよ。

５歩(ほ)動(うご)かす

10度(ど)回(まわ)す

回転(かいてん)しないようにする

見(み)やすさのため。

色(いろ)を変(か)える

自(より)プレイヤーだけ色(いろ)が変(か)わって、他(た)プレイヤーは普通(ふつう)のスクラッチキャットにする。

タブを並(なら)べてテストする

これで僕(ぼく)の環境(かんきょう)では４つ並(なら)べてみた。パソコンのスペックによっては４つは厳(きび)しいかもしれないから、２つか、行(い)けそうなら３つタブを並(なら)べてテストしてみると面白(おもしろ)いぞ！

こんな感(かん)じの動(うご)きができたら、誰(だれ)かを赤(あか)いボタンで止(と)めてしばらく待(ま)とう。そしたらリストの行(ぎょう)が空白(くうはく)になるよね！それを確認(かくにん)できたら再(ふたた)び緑(みどり)の旗(はた)を押(お)して再開(さいかい)してみよう……。空白(くうはく)行(いき)がリサイクルされたら大成功(だいせいこう)！おめでとう！

次回(じかい)へ

いやぁ素晴(すば)らしいオンラインゲームエンジンに仕上(しあ)がったね。これを使(つか)えばどんなゲームもマルチプレイヤーすることが可能(かのう)だぞ。夢(ゆめ)が広(ひろ)がる……。この後(あと)はまた動画(どうが)の更新(こうしん)を待(ま)って、記事(きじ)も追(お)っかけ解説(かいせつ)していく！乞(こ)うご期待(きたい)！あーでも、もう待(ま)てないって感(かん)じに温(あたた)まってるなら、待(ま)ってちゃダメだ！どんどん自分(じぶん)の作品(さくひん)をオンライン化(か)してしまおう！